中鶴潤一氏のインタビュー

ナムコProject Soulのサウンドディレクター、中鶴潤一氏にお話を伺いました。

最初にお伝えしたいのですが、ソウルキャリバー®IIの大ファンなんです。戦いが始まる直前のあの特徴的な“ヒット”音は、私がこれまでゲームで聞いたサラウンドサウンドの中でもベストに入ると思います。あの音を聞くといつも首の後ろの毛が逆立つんです!

ゲーム業界での輝かしい経歴をお持ちですが、ソウルキャリバーIIIのサウンドにはどのようなアプローチをされたのですか?

最初にソウルキャリバーⅢの映像やキャラクターやストーリーを研究し、深く知ることから始めました。その後、聞いてすぐにソウルキャリバーシリーズと分かる、前作以前から受け継がれるサウンドのテーマを特定し、同時に、最新シリーズのための新たなサウンドを考案しました。これらの作業がすべて終わった後ではじめて制作に取り掛かりました。

オーディオチームは、これまでと同じですか?それともチームのメンバーを変更しましたか?

基本的に、チームは変えていません。彼らは全員、トップレベルのサウンドデザイナーで、ソウルキャリバーシリーズの全作品に携わっています。だから、ゲーム全体を通してどのようなサウンドが求められているかを熟知しているんです。

格闘ゲームというジャンルは独特だと思うのですが、このゲームのサラウンドサウンドにはどのように取り組まれたのですか?

サラウンドサウンドへのアプローチとして、最初に、Dolby® Digital Surround EX™を使ってソウルキャリバーⅢのオープニングシーンを制作しました。その後、実際のゲームプレーの部分にDolby Pro Logic® IIを使いました。

オープニングのシーケンスをDolby Digital Surround EXで制作し、ゲームプレーヤーを圧倒的なサラウンドサウンドの中に没入させることで、実際のゲームプレーに対する興奮を生み出したいと思ったのです。ゲームプレーが始まった後は、敵を倒すシーンのダメージ音を強化して、サラウンドサウンドで聞けるようにしました。同様に、キャラクターが格闘ステージの端にいるときに、風の吹く音や、スクリーンの反対側から流れてくる水の音など、周囲の雑音も聞こえるようにしました。そうすることで、キャラクターのいる位置が分かり、格闘ステージから落ちることもなくなるからです。

ソウルキャリバーⅢのオーディオが重要なのはなぜですか?

オーディオは、シーンをより印象的で表現豊かにするための重要な要素であり、さまざまなシチュエーションでキャラクターへの感情移入を可能にします。音のない映画やテレビを見たことがあれば分かると思うのですが、どんなに映像が綺麗でも、音がなければ、感情に訴えることは難しいのです。剣と剣がぶつかり合う音や感情のこもったキャラクターの声、風や水の音など、効果音があることによって-つまり、キャラクターやゲームプレーのステージにふさわしいBGMや効果音を効果的に使うことによって初めて、プレーヤーはソウルキャリバーⅢの世界に入り込むことができるのです。

これまでに手がけたゲームのサウンドトラックの中で最も満足のいく出来のものは?

もちろん、ソウルキャリバーです。

ゲームオーディオ技術の進歩によって、ゲームサウンドへのアプローチは変わりましたか?

莫大な量のサウンドデータが必要とされるので、早い段階でサウンド制作のプランニングをするようになりましたね。また、新しいタイトルに取り組むときにはいつも、よりサラウンドサウンドを意識するようになりました。

ソウルウルキャリバーⅢのオーディオはどの程度インタラクティブなのですか?

ゲームプレー中のサウンドはすべて、インタラクティブなサラウンドサウンドです。サウンドの動きは、アクションやシチュエーションに応じて常に変化します。

お気に入りのツールは何ですか?その理由は?

私が持っている中で最高のツールは、脳と手ですね。でも、そのほかにPro Tools®とLogic®Proも好きですよ(笑)。

17歳の頃には何をしていましたか?

高校生をしてましたね(笑)。学校のブラスバンドでトロンボーンを吹いていました。あと、個人的にキーボードを演奏したり、バンドのための作曲をしたりしていました。

今でも楽器は演奏されるのですか?

ピアノとキーボードを演奏します。実は、ソウルキャリバーⅢのためにピアノを演奏したんですよ。

お気に入りのゲームを3つ挙げるとしたら?

この3作品はすべて、最近サウンドを手がけたものです。

ソウルキャリバーIII

エースコンバット™ 5

リッジレーサーズ®

お気に入りのレコードを3つ挙げるとしたら?

パット・メセニー・グループ、スピーキング・オブ・ナウ — これは、いつもスタジオでのサウンドチェックに使っています。

スターウォーズ エピソード1のサウンドトラック — このオーケストラサウンドには大きな影響を受けました。 

インコグニート、ノー・タイム・ライク・ザ・フューチャー — 彼らがブルーノート東京でライブをするときにはいつも見に行きます。

次世代ゲーム機で最も楽しみなことは?

サラウンドサウンドのメリットを最大限に生かす、より表現豊かな高品質サウンドですね。

現在は何か新しいプロジェクトに取り組まれていますか?

はい。今は詳しいことは言えないんです。すみません。でも、楽しみにしていてください!

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