「スター・ウォーズ エピソード1」でミキサーを務めたゲイリー・ライドストローム氏のインタビュー

スター・ウォーズ エピソード1」のミキシング作業中の1998年10月、アカデミー賞®を5回受賞したゲイリー・ライドストローム氏にドルビー®デジタル・サラウンドEX™ について聞きました。

どうして後方サラウンドチャンネルを使いたいと思ったのですか?

現在の左右のサラウンドでは、観客の後ろに音を配置することができません。後の壁面に沿ったチャンネルがあって初めて、観客をサウンドで包み込むことができるのです。観る人を取り巻く個々の要素を細かく作り込めるということは、環境音やドラマティックな瞬間的な音響演出にとって素晴らしいことです。映画は、自分たちが普段どのように感じているかを模倣するものです。目で見ることができるのはスクリーン上の前方の狭い範囲に過ぎませんが、耳で聞くことができるのは360度です。ドルビーサラウンドEXは、私たちが知覚するものをよりリアルにシミュレーションしてくれます。それに、音が背後から忍び寄ってくることほど、観客を怖がらせるものはないでしょう?

この新技術サラウンドEXで、ミックスの準備に変化はありましたか?

それほどありません。 新しいチャンネルをいつどのように使うかということは、実際にミックスする段階で決めるからです。 サラウンドEXで増えたチャンネルは、映画館を音で埋めるのに十分なサウンド要素を提供するということで考えます。

ジョージ・ルーカスのような映画監督は、映画の鑑賞体験をさらに進化させるために、この新しいミキシングツールをどのように使いますか?

ジョージ・ルーカスもその1人ですが、優れた音響センスを持っている監督は、サウンドを使ってもっと詳しくストーリーを物語るために、音の広がり感を用いることができて喜びますね。ドルビーデジタルサラウンドEXは、現代映画ならではのサウンドの複雑性に対応するのに役立ちます。 「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」は、映画館での体験の質を高めるという点では、他の「スター・ウォーズ」シリーズと同様です。

サラウンドEXを使った映画で、観客のサウンド体験はどのように向上しますか?

映画の中にもっと引き込まれるように感じるでしょう。特にそれとは意識するわけではないのに、何かが良くなっているというようにね。サウンドトラック制作の役割の1つは、観客が映画の中に没頭できるようにすることです。 後ろの壁から聞こえてくる音を振り返って「見て」ほしいわけではありません。その映画を観て、より豊かな、より良い体験ができたと思ってほしいのです。

ドルビーデジタルサラウンドEXを使った映画をTHXシアターで体験することの利点は?

監督と音響制作クルーが、サラウンドEXによるミックスの構築を含め、きちんと理解しているのであれば、観客に対して完璧な再生の提供が可能です。ただ、THXシアターの持つ音のステレオイメージ、動的な表現、純度と、ドルビーサラウンドEXチャンネルによって実現された詳細な音作りを組み合わせれば、「エピソード1」や今後出てくる他の映画を見るのに最高の方法だと言えるでしょうね。

「スター・ウォーズ」の次にサラウンドEXを使う映画は何になりますか? その制作にあたって、サラウンドEXはどのように役立つでしょう?

ホーンティング」です。 ヤン・デ・ボン監督の大人向けの心理ホラーで、古典的な幽霊屋敷の映画です。そこでは、幽霊が屋敷の壁や天井を動き回ります。普通、そういうものは目に見えず、音を聞くだけです。 恐ろしいものが聞こえるのに見えないという状況が、一番怖いものです。 「ホーンティング」は、ドルビーサラウンドEXの特長を駆使したものになるでしょう。その次は、「トイ・ストーリー」の続編を手がけます。 前作よりいっそう派手にオモチャが駆け回り、追跡劇を展開するので、新しい後方チャンネルが大いに活躍します。その後は、ドリームワークスのプロジェクトで、「マイノリティ・リポート」です。

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