「グラディエーター」のミキサー、スコット・ミラン氏とボブ・ビーマー氏のインタビュー
ドリームワークス作品「グラディエーター」のドルビー®デジタル・サラウンドEX ™ によるミックスが、カリフォルニア州サンタモニカのトッド-AOウェストで最終段階に入っていた2000年3月に、同作品のサウンドミキサーであるスコット・ミラン氏とボブ・ビーマー氏にインタビューし、サラウンドEXフォーマットとそれがこの映画でどのように使われたかについて語ってもらいました。
「グラディエーター」は、ドリームワークスがドルビーデジタルサラウンドEXで制作した2作目の映画です。
ドルビーデジタルサラウンドEXの利点とは?
「グラディエーター」の場合、サラウンドEXを使うことによる利点はいくつかありました。戦闘シーンのなかには、観客の背後から聞こえ始め、頭上を通ってスクリーンに抜けるサウンドを必要とする場合がありました。サラウンドEXは、このような状況にぴったりでしたね。
時には、サラウンドに直線的な動きを出す必要もありました。たとえば戦車のシーンでは、まるでレースの真っただ中にいて、まわりを馬が疾走しているような感覚を観客に与えたいと思いました。サラウンドEXチャンネルは、そのような継ぎ目のない音の移動を劇場中に生み出す手段をもたらしてくれました。サラウンドEXチャンネルを使うことにより、音のパンニング能力が飛躍的に向上しました。
ドルビーデジタルサラウンドEXフォーマットで増えたサラウンドチャンネルは、狙い通りの効果を生み出すために役立ちましたか?
サラウンドEXの最大の利点と言えるのは、左右サラウンドに絞って音を配置できる点です。 従来のデジタル方式では、「左サラウンド」チャンネルには左サラウンドと左後方サラウンドが含まれていました。 言い換えれば、サラウンド情報を映画館の後方にまで音を滲ませずに、左なら左だけ、右なら右だけに配置する、という本来やりたかった効果が得られるということです。この能力が、サラウンドEXフォーマットの最大の利点だと考えています。
特に自慢できるシーンや音のカットはありますか? また、その理由は?
スポットされた音響効果の中でサラウンドEXの利点がよく発揮されているのは、戦闘シーンで剣を投げる場面です。観客の視点から見れば、彼ら自身がグラディエーターであり、彼らが剣を投げるのです。そして、その剣が頭上を真っすぐに飛んでいき、前方のターゲットに当たるのです。サラウンドEXチャンネルは、体験を再現し、観客を映画に参加させる新しいツールを提供してくれました。