会社の設立
設立
ドルビーラボラトリーズはレイ・ドルビーにより設立されました。 彼の最初の仕事は、高校生のときに始めたカリフォルニア州レッドウッド市にあるアンペックス社でのアルバイトでした。 大学在籍中には、世界初の実用ビデオテープレコーダー開発を進めていたアンペックスのエンジニアグループに加わりました。そして、このレコーダーは1956年に発売されました。彼の関心は、エレクトロニクスに向いていたのです。
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最初の実用ビデオテープレコーダーを開発したアンペックスのエンジニアチームとレイ・ドルビー(左から3人目) 1956年
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1957年にスタンフォード大学を卒業後、彼はマーシャル・フェローシップという奨学金を受けて英国のケンブリッジ大学に進みました。 ケンブリッジでの6年間で、彼は物理学博士号を取得しました。 その後、インドで2年間、中央科学計測器機関で国連のアドバイザーとしての役目を務めました。 1965年に英国に戻り、ロンドンにドルビーラボラトリーズ社を設立しました。 当初から英国で米国企業として設立し、1976 年には本社をサンフランシスコに移しました。
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ロンドン、346 クラハム・ロード。
1976年まで本社、1992年までヨーロッパの本拠地。
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サンフランシスコ、731 サンソム・ストリート。
1976年から1986年まで本社。
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業務用製品を作るという決断
レイ・ドルビーが設立した会社で最初に開発されたのはドルビーAタイプノイズリダクション(NR)技術と呼ばれるものです。 これは業務用テープ録音で生じるサーッという背景ノイズ(ヒス)を大幅に抑え、かつ録音自体には悪影響を生じない新しい優れたオーディオ圧縮・拡張技術です。 このシステムに取り入れられた新しいコンセプトの1つは、小さな信号のみを処理するということで、ノイズを処理しなくても自ずとそれが聞こえないほど大きい音の信号はそのままにしておきます。 そして、音のスペクトルを複数のバンドに分割する手法により、従来の広域コンパンダーに見られるパンピング(ノイズ変調)を回避したことです。
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ドルビーラボラトリーズが最初に作った製品はモデルA301、1チャンネルのAタイプノイズリタクションシステム(1966年)
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レイ・ドルビーは新しいシステムを自ら製造し、それを主にレコード会社に販売しました。 これが当社の基礎となり、現在、ドルビーラボラトリーズは自社工場にて業務用オーディオ製品を生産し、世界中で高い売上を誇っています。 それまでのオーディオノイズリダクション技術に比べてドルビーの技術が異なる点は、ノイズリダクションによる悪影響がないということです。 こうした特徴により、この技術は世界中の多くの録音および映画サウンド製作現場において採用されるようになったのです。
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A301 ユニットを使う録音をモニター(1967年)
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一見、ノイズリダクションは用途が限られた難解な技術のようですが、この技術のオーディオ産業への影響は多大です。たとえば、1960年代後半から1970年代前半にかけてマルチトラック録音技法が発達したのは、ドルビーAタイプNR が採用されるようになったからです。この技術がなかったら、狭いトラック幅とミックスダウンを何度も繰り返すことによる相乗的なテープノイズは耐え難いものとなってしまったでしょう。この技術の効果は民生用製品や映画サウンドに採用され、さらに優れたものとなりました。
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1つのユニットに最高16までのノイズリダクションチャンネルを備えたM-シリーズはマルチトラック録音においてAタイプのコストを削減 (1972年)
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