• JPEG-HDR

    • JPEG-HDRは、スマートフォンや他のカメラ向けにJPEG互換静止画像フォーマットでハイダイナミックレンジ画像を生成します。

    • JPEG-HDRの特長

      • 後方互換性

        JPEG-HDR®は、広範な従来のJPEGエコシステム内ですべての既存デバイスおよびアプリケーション上で完全かつシームレスに動作し、実際に、機能強化によって進化しています。

      • JPEG規格の一部(ISO)

        JPEG-HDR画像はソフトウェアやカメラに左右されません。一方、RAW画像は各カメラの機種に特有であり、特許で保護されるとともに、表示に特殊なソフトウェアが必要です。

      • すべての情報を妥協することなく保存

        JPEG-HDR画像には、ハイライトから陰影までのあらゆる色彩と輝度の情報が常に含まれています。編集は情報を破壊することなく行われるため、最初に保存や共有を決定しても、必要に応じて後でこの決定を変更することができます。

      • ポータブル

        RAWファイルが大量のメモリーを消耗するのに対し、JPEG-HDRファイルははるかに少ないメモリーで済み、消費メモリーは標準JPEGよりもわずかに大きいだけです。そのため、クラウドを経由して簡単で経済的な共有が可能になります。

      • 一貫したディスプレイ

        JPEG-HDR写真は、標準およびHDRのどちらでも、全スクリーンに一貫して表示されます。画像は、次世代のデバイスやディスプレイの高度化する機能がフル活用されることを見据えた未来対応型です。

      • 印刷品質の向上

        デバイスは輝度を重要視するのに対して、プリンターは色域を重要視しています。JPEG-HDR画像にはすべての色情報が保存されるため、より高品質で色彩豊かな印刷が可能です。

    • JPEG-HDRフォーマットでは、現在の12ビット以上のセンサーを使用して多重露光を捕捉し、20ビット以上の真に迫ったHDR画像を出力できます。

      • 問題: JPEGの制限

        20年以上にわたってISO規格として採用されてきたJPEGは、静止画像の共有と保存に最も一般的に使用されているフォーマットです。ただし、従来のJPEGには根本的な制約があります。JPEGは8ビット色深度の画像に制限されているため、サポートしているのはローダイナミックレンジ(LDR)のみです。コンシューマーはハイダイナミックレンジ(HDR)の画像を求めつつあるため、問題が生じます。これらの規格のLDR JPEG画像は、静止画像のエコシステムにおける障害となっています。TV、モニター、スマートフォン、他のポータブルデバイスはHDRをサポートできるためです。

        最近では、スマートフォンはHDRモードと呼ばれるモードを提供しています。これは、独自のトーンマッピング法を使用して多重露光(通常は3枚)を組み合わせ、色とコントラストを向上させるモードです。しかし、最終的な画像は8ビットJPEGのままです。真のHDR情報は破棄されます。

    • 標準HDRフォーマットでは、12ビット以上のセンサーを使用して多重露光を捕捉し、8ビットのローダイナミックレンジ(LDR)画像を出力します。

      • 典型的なスマートフォン「HDR」

        • ハイライトおよび陰影のディテールをある程度向上させる
        • 独自のアルゴリズムを使用する
        • 最終画像を従来のJPEGに処理し、未使用の情報を破棄する

        ソリューション: JPEG-HDR

        JPEG-HDRは、トーンマッピングされた8ビット画像を超える真のハイダイナミックレンジデータの保存と配信をコンパクトなフォーマットで非常に効率的に実現する静止画像のコーディング技術です。これは従来のJPEGとの後方互換性を備えており、ISO/IEC 18477(JPEG eXTensions)パート2として規格化されています。

        コンパクトで互換性のあるフォーマットの真のHDR

        JPEG-HDRは従来のJPEGの制限を克服しており、小さなファイルサイズと後方互換性を維持する一方で、真のHDR画像のキャプチャーと保存を可能にします。これによって、今日のセンサーの12ビット以上の多重露光機能を最大限に活用できます。

        JPEG-HDRは、元の露光の情報をすべて保持し、その情報をメタデータに保管します。通常、ファイルサイズは従来のJPEGファイルより20~30%ほど増加するだけです。

        JPEG-HDRフォーマットは広範な色域と輝度をサポートしており、HDRディスプレイ、高度な写真編集、印刷に最適で、大容量の画像ファイルを保存して転送する必要がありません。また、クリッピングやディテールの損失を防ぎます。

        RAWファイルと比較したときのJPEG-HDRのメリット

        JPEG-HDRダイナミックレンジは、ハイエンドデジタルカメラで撮影したRAWファイルを処理することで得られるダイナミックレンジと同等またはそれ以上のレンジを実現しますが、RAWファイルのようにファイルのサイズが大きくなることはなく、ポストプロセス処理ソフトウェアの使い方を習得するためにかなりの努力や時間を費やす必要がありません。また、RAWと比較して次のような実用的なメリットもあります。

        • JPEG-HDRは、正確なデコード処理に独自のアルゴリズムを必要としないオープン規格です。一方、RAWは規格ではなく、画像はブランドやカメラのモデルごとに異なります。 
        • JPEG-HDRはシームレスな共有が可能で、ファイルのサイズを小さく保ちながらも、アプリやサービスを共有できるインテリジェンス性を最大限に活用します。 
        • JPEG-HDRは開発時間やコストにわずかな影響しか及ぼしません。

      • 真のHDRの特長をJPEG規格にもたらすJPEG-HDR

        JPEG-HDRフォーマットは、8ビットを超えるハイダイナミックレンジのデータをすべて格納し、ユーザーがこのレンジ全体を使用してポストプロセス中に画像を編集できるようにします。一方、現在のスマートフォンのHDRモードは、独自のアルゴリズムに基づいて画像のトーンマッピングを自動的に行い、元のHDRデータがなくても1つの圧縮画像を提供するため、ユーザーの好みに合わせてポストプロセスを回避します。

        トーンマッピング: 偽りのHDR

        トーンマッピングとは画像処理に使用される手法のことで、1つのカラーセットを別のカラーセットにマッピングして、ダイナミックレンジが制限されているメディアのハイダイナミックレンジ画像の外観を見積もります。トーンマッピングは、オリジナルシーンの輝度の強いコントラストが表示可能な範囲まで減少してしまう問題を解決すると同時に、オリジナルシーンのコンテンツを評価するために重要な画像のディテールと発色を保持します。

        JPEG-HDR: 従来のJPEGとの後方互換性

        JPEG-HDRは後方互換性があるJPEGの拡張で、ハイダイナミックレンジの写真に対してISOにより規格化されています。従来のJPEGデコーダーは、一般的にトーンマッピングされた8ビット画像であるJPEG-HDRに埋め込まれたベースラインJPEGストリームをデコードします。JPEG-HDRデコーダーは、この新しいフォーマットの拡張部分に追加データを使用して、HDR画像全体を復元できます。 通常、JPEG-HDRファイルは、従来のJPEGファイルよりも20~30%容量が増加しています。

        他のHDRフォーマット: 制限

        Radiance(.hdr)やOpen EXR(.exr)などのHDR画像フォーマットが存在しますが、これらのファイルは一般的にJPEG-HDRファイルよりも10倍の容量があるため、共有やクラウド同期などの多くの使用例には適しません。もう1つのフォーマットであるJPEG-XRはHDRに対応していますが、JPEGとの後方互換性がないため、多くのユーザーの間で定着することはありませんでした。

        製品へのJPEG-HDRの搭載

        キャプチャー機器メーカーは、独自のインプリメンテーションを構築するか、サードパーティが開発したインプリメンテーションを使用できます。詳細については、ドルビーにお問い合わせください。 PCソフトウェアプロバイダーまたはモバイルアプリディベロッパーの方で、JPEG-HDRフォーマットに関心がある場合は、間もなく公開される予定のリファレンスソフトウェアインプリメーションに基づいて独自のインプリメンテーションを構築してください。後日、このサイトをチェックしてこのインプリメンテーションをダウンロードしてください。

        モバイル機器用写真アプリの開発におけるJPEG-HDRの特長

        JPEG-HDRは、以前は利用できなかった追加の画像データを提供できるため、可能性が大きく拡大されます。たとえば、より高度な写真補正が可能で、トーンマッピング機能も強化されています。以前は見えなかった画像のディテールが見えるようになると、画像が把握しやすくなり、エンドユーザーにとってわかりやすいストーリー展開ができるようになります。より優れた印刷品質でユーザーをサポートすることもできます。

         

      • JPEG規格

        JPEG-HDR(ISO/IEC 18477)はスチル画像のコーディング規格の一部です。